大腿骨頭切除術

イノアイママです。

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妹宅で暮らしているカンちゃん。

先日、大きな手術を受けました。

『大腿骨頭切除術』です。

突然右脚を痛がりだし、受診したところ、

『股関節脱臼』と言われたそうです。

転倒、転落などの外傷からくるものではなかったため、

おそらく先天性のものだろう、と…。

痛がるためレントゲンも撮れず、受診した日に入院となり、麻酔下で整復することになりましたが、

整復しても整復しても脱臼してしまうほどの状態で、結局手術の運びとなったのです。

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おそらく、これまでも繰り返していただろう脱臼の原因は、

①大腿骨頭を受ける骨盤側の寛骨臼のくぼみが、明らかに浅いこと

②レッグペルテスの可能性

③右脚の筋力が低下し、股関節を支えることができなくなっていること

が挙げられました。

寛骨臼のくぼみが浅いのは、股関節形成不全を持っていたのではないかと考えられます。

大型犬種に多い疾患ですが、犬の遺伝性疾患でも最も一般的な疾患とも言われています。

原因遺伝子の特定はできていませんが、

発症に至るまでに、遺伝的要因が7割、成長期の環境要因が3割とも言われています。

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カンちゃんは、成長期は我が家で過ごしました。

食べムラがあるものの、フードをきちんと食べていたので、偏った栄養ではなかったと思っています。

元々運動嫌いなので、室内では走ることもなく、お庭で遊んだり、時々の散歩もしていました。

ただ、この頃、パテラの診断をされたこともあり、その時に触診で股関節は異常なしとも言われていたので、股関節より膝の方に目が行っていたのは事実です。

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レッグペルテスは、成長期の小型犬に多い疾患です。

何らかの原因で骨頭への血流が阻害され、壊死します。

今回の手術で、病理検査に出さなかったので、確定診断には至っていませんが、

骨頭の形が若干いびつになっていることや、

切除した断面の骨組織が、通常よりスカスカした状態にあることから、レッグペルテスの可能性も否定できませんでした。

大腿骨頭はもらって帰ってきました。

若干ですが、きれいな丸い曲線ではないのがわかるかと思います。

股関節周囲の筋肉や靭帯も損傷していた、とのこと。

また、左の寛骨臼も浅く、脱臼しやすい状態なのだそうで…

ふとした拍子に靭帯が切れて左脚も手術、ということも充分に考えられるそうです。

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パテラがあるせいか、股関節が悪いせいか、とにかく右脚をかばっていたようで、

そのために、元々あまり付いていなかった筋力がますます低下したと思われます。

また、パテラに関しては、右脚はG2からG1に軽減しており、

逆に、右脚をかばって、左脚に負担がかかることで、

左脚のパテラはG1からG2〜3まで進行してしまっていました。

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術後、3日目にお見舞いに行くことができました。

患部の炎症をアイシングしながら、リハビリを開始した日でした。

大腿骨頭を切除しているので、関節としての機能はありません。

しかし、股関節周囲の筋力をつけることで、日常生活に支障のないレベルまで回復することができます。

幸い、カンちゃんは、右脚をつけて歩こうとするので、リハビリはスムーズにいきそうだと言われました。

どうしても三本足で歩いてしまう子は、リハビリにも時間がかかるんだそうです。

カンちゃん、ボサボサマックスで。

病院の臭いやイソジン臭やらで、クサクサだったけど。

でも。

一生懸命、歩いて近づいてきてくれる姿はとても可愛くて、とても切なかったです。

うちにいたときも、骨折で手術しているので、

1歳4カ月にして、すでに4回目の手術。

小さい体で、頑張ってくれています。

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術後1週間でリハビリも順調に進み、無事退院もしました。

とにかく歩かせること。

それが一番のリハビリと言われ、

妹夫婦と、フレブル兄妹と、頑張ってくれているようです。

カンちゃんを今までと変わらず育てていくと言ってくれた妹夫婦、本当にありがとう。

私たちも、精一杯支えていきたいと思っています。